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【旧枠モダン】モダンホライゾン2による影響まとめ

old-flame-modern.hatenablog.jp

旧枠モダン視点のモダンホライゾン2、答え合わせ編です。

執筆中の旧枠モダン入門記事内で語るには重すぎたので別で書きました。

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影響度の低いものは飛ばしつつ、上段左上から右に順に紹介します。

 

 

《霊体の先達/Karmic Guide》

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ということで無事初手から影響の強かったものを紹介できます。*1

霊体の先達はリアニメイト能力を持ったクリーチャーですが、霊体の先達2枚と生け贄のみをコストとする起動型能力で無限ループを形成します。

具体的な手順は

①墓地に霊体の先達がいる状態で霊体の先達を戦場に出す。

②霊体の先達のリアニメイト能力の対象を霊体の先達に。

③効果の解決前に、戦場に出ている霊体の先達を何らかの起動型能力により生贄。

④新たに出た霊体の先達のリアニメイト能力で生贄になった方の霊体の先達を対象にする。

以後③④の繰り返し。

となり、③の部分の起動型能力を無限に起動することができます。

具体的な相方は《狂気の祭壇》と《ゴブリンの砲撃》で、これらを組み合わせたコンボデッキをカーミックボンバーと呼びます。あのMTGwikiにも載っている由緒正しい古代のデッキです。

mtgwiki.com

残念ながら当時のデッキリストは掲載されていませんが、なんにせよ霊体の先達は旧枠モダンにおいて"弱いカードが特にない無限コンボ"を環境にもたらしました。

以前あった無限コンボといえば《永劫の輪廻》であり、コンボ専用パーツの多さ、弱さが非常にネックになっていました。*2

モダンホライゾン2発売前後の交流会で最も存在感を放っていたデッキの1つで、色の安定を求めた赤白、《クローサの大牙獣》によるリアニメイト戦略や《エラダムリーの呼び声》によるサーチを使うナヤカラー、同じく再録された《名誉回復》などで盤面*3への干渉力を高めたマルドゥカラーが存在します。

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toriniku-wing.hatenablog.com

とにかく全体的にカードが強く、《なだれ乗り》連打による押し付けの上に無限コンボによる即死が存在しています。

現行旧枠モダンにおける最強のデッキの一角であることは疑いようがないでしょう。

 

《浄化の印章/Seal of Cleansing》

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《真の木立ち》によるシルバーバレット、各種エンチャントレスでのドロー、《オーラ術師》での再利用など、色々と活用されています。

 

《独房監禁/Solitary Confinement》

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エンチャントレスでの自衛カードとして使われるほか、《ゴブリンの太守、スクイー》によるロックカードとして使用されています。

 

《対抗呪文/Counterspell》

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"青春"の青要素、カウンタースペルの始祖であるカウンタースペルそのもの。

旧枠モダンにおける打ち消し呪文は《マナ漏出》*4《雲散霧消》*5《中略》*6《神秘の蛇》*7が主力でした。

そんな中で《対抗呪文》を得たことで強化、誕生したデッキは主に3つ。

ユーロブルー

カウンターバーン

ネザーゴー

いずれも《ミシュラの工廠》による影響によるも非常に大きいですが、対抗呪文もそれらをデッキたらしめていることは間違いないでしょう。

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worldgainer.hatenablog.com

 

《激動/Upheaval》

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《サイカトグ》は旧枠モダンにはいませんが、別の相方はいます、その名も《ゾンビの横行》。

①8マナを用意できる状態で《激動》。

②浮いた2マナで《ゾンビの横行》、戻ってきたカードをゾンビに変換。

③大量のゾンビが更地を駆け抜ける!!!

という単純明快なもので、前項で紹介したネザーゴーのメイン、あるいはサイドプランとして使われています。

それぞれが単体でもある程度機能するのが特徴です。

使用者の多い人気のデッキで、上位入賞もしているトップメタの1つです

モダンホライゾン2前にも激動ゾンビは存在していたそうですが……。*8

 

《不可思議/Wonder》

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様々な形が考案されたが結局強いデッキは誕生しませんでした。挑戦者求。*9

 

《陰謀団の先手、ブレイズ/Braids, Cabal Minion》

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現行旧枠モダンを語る上で外せない1枚。ミラーリ争奪戦の覇者。

ノワールの核にして切り札であり、発売前後の交流会はカラフルなノワール展示会となっていました。

mtgwiki.com

タッチカラーは白や緑が多い、とされながらも赤が制したのは面白いことだと思います。

ブレイズによって単体除去の評価が見直され、「やはり《稲妻》が強い」「どんなに弱くても《今わの際》を使うしかない」「《恐怖》はやっぱダメ」などの悲鳴が上がりました。

yakitori-sunagimo.hatenablog.com

 

《総帥の召集/Patriarch's Bidding》

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オンスロート当時に活躍した名カードですが、今のところ目立った活躍はできていない状態です。

最も完成形に近いのがゴブリン召集ですが、マナベースに不安が残っているため本命として使うプレイヤーはいませんでした。

人間召集*10、ファイレクシアン召集*11といった当時存在しないシリーズも考案されましたが残念ながら実用化には至らず。

 

《火炎の裂け目/Flame Rift》

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赤単バーンが大幅に強化されました。

愛好家は少ないものの、「見たくないカード」の筆頭です。

 

《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》

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カーミックボンバーのキーカード。

《狂気の祭壇》と異なり、ライフにも盤面にも干渉するのでビートダウンプランにも貢献するのが特長です。

これにより《ルフ鳥の卵》を孵化させるテクニックが一線級になりました。

 

《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter》

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モダンホライゾン2によってもたらされた中でも最強のカードです。

《なだれ乗り》の水増しとしての使用が最も頻度が高く、3→4の流れは旧枠モダンのA定食と呼んでも過言ではないでしょう。

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もっと親の顔見て

《霊体の先達》、《ブレイズ》と現環境の主役カードを支えているのもこの人です。

本来の使い方ともいえるシルバーバレット戦術もよく利用されており、よくあるサーチ先は

《荊景学院の戦闘魔道士》・・・コラコマ。2点火力とアーティファクト破壊。

《雲を追うエイヴン》・・・エンチャント破壊。飛行目当ての場合も。

墓所を歩くもの》・・・墓地対策。

《絹鎖の蜘蛛》・・・飛行対策/固すぎるブロッカー。

《陶片のフェニックス》・・・地上スイーパー。

など、ほぼなんでもできます。

モダンホライゾン2が大量に流通してくれたおかげで、昔では考えもしなかったようなお求めやすい値段で買えるので、とりあえず4枚買ってもいいと思います!オススメ!

 

《女魔術師の存在/Enchantress's Presense》

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旧枠モダンの"女魔術師"が8枚体制となり、エンチャント軸のデッキがローグデッキの域を脱しました。

特に強力なのが《オーラトグ》+《怨恨》のいわゆるオーランカーデッキで、安定性が大きく向上して"デッキ"として扱われるようになりました。

先代と比べて除去されづらく、重ね引きをしてもドローが進むという素晴らしいカードです。*12

 

《狩り立てる群れ/Hunting Pack》

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個人的に一押しのカードです!

緑単、赤緑、緑白を経て最終的に青緑になったストームデッキのフィニッシャーです。

old-flame-modern.hatenablog.jp

かなり癖があるので、これを勧めるのはどうなんだ……?と思いますが、安くて面白くて、まあまあ強いので気になったら回してみてください。

ただし1人回しより対人の方が強いです。*13

 

《火 & 氷 / Fire & Ice》

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本家モダンでも活躍してます。すごい。旧枠モダンでも普通に強いです。

色が合えば大体入るパワーカードに説明もなにもあったもんじゃないですが、旧枠モダンは色マナがタイトな場合が多いので、《氷》をアップキープやエンドに土地に撃つパターンは他より多いと思います。

 

《真の木立ち》

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《独房監禁》や《ミラーリの目覚め》を搭載したデッキを中心に採用されています。

バベル待望の《機知の戦い》にアクセスできる1枚でもあります。

また、先述のカーミックボンバーにも採用されることがあります。

 

《名誉回復/Vindicate》

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インベイジョンブロック構築でも引っ張りだこの万能除去です。

《崇拝》などの詰みパターンがメインから減らせるすごいやつです。

白黒系ビートダウンはあまり愛好家がいませんでしたが、これにより挑戦者が増えて研究が進みつつあります。*14

 

《押し出し成形機械/Extruder》

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今回のアイドル枠。誰も知らなかったアイドル。実力は本物

プレビュー期間中に最もネタにされたカードでしたが、これを入れた茶単が想像の10倍強かった

見かけ上のサイズはタフネス3なものの、コストを用意できれば《稲妻》圏外であり、象を一方的に討ち取ることもできるのでエコーを払う価値が十分にあり、《トリスケリオン》に全力で射出させたり、カウンターを乗せる先を選べるので戦闘が格段に難しくなったりと、謎のカードの正体は今まで存在しなかった"茶単を茶単で組む最大の理由"でした。

旧枠モダンが今年誕生したゲームだったとしたらTwitterのアイコンはコレだったと思います。

 

《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》

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元祖リセットボタンです。昔EDHでお世話になった方も多い、というかもはやEDH以外で見ることの方が少ないのではないでしょうか。

EDHでも強いカードですが、EDHと違ってなんとデッキに4枚まで入ります。そっちで慣れてる人はこれが2枚ある初手を見るだけで面白いと思います。

旧枠モダンにおいては、ありそうでなかったエンチャントをすべて破壊できるカードとして既存のメタゲームを破壊しました。プレインズウォーカーが存在しない当フォーマットでは本当に盤面を綺麗にしてくれます。*15

今まで通ってしまったエンチャントを触りづらかったカウンターバーンなどのデッキにも使われているほか、流してからのブレイズといった卑劣極まりない*16行為も発生しているようです。

 

《陰謀団の貴重品室/Cabal Coffers》

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《生命吸収》《霊魂焼却》といったカードがないので黒単でも《沼》が優先されます。

いつか活躍する日が来るといいですが……。

 

《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》

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最後を飾るにふさわしい最高の1枚。

色、攻守を問わず様々なデッキタイプで使用される、起源にして頂点なミシュラランドです。「このカードの存在によって《神の怒り》が環境から追い出された。」と言ってよいほど多大な影響をもたらしました。

ただし"強いカードの色拘束が強い"旧枠モダンにおいては色事故のもとになりやすく、特に白系のアグロでは採用が難しいです。

ミッドレンジやコントロールに壁や全体除去後のアタッカーとして採用されます。特に色事故と無縁の茶単とは相性が良く、苦手だった全体除去後のアタッカーとしてはもちろん、通電式キーによりサイズを上げるテクニックも存在します。

逆に、コントロールはミシュラランドへの対策が必須になりました。

《恐怖》より《燻し》、あるいは《闇の追放》がベターでしょう(ただし今述べたものは《ブレイズ》に当たらないので《悪魔の布告》のがいいかもしれません)。*17

 

本ページのまとめ・筆者の主観によるTier表

環境への影響が特に大きかった(あるいは話題になった)カードは以上となります。

挙げた枚数としては20枚ですが、どれだけ影響が大きかったかは想像できたと思います。

長々と述べていたり、プレイヤー様によるデッキ紹介リンクまで貼ってるようなデッキであれば握っても間違いはないであろう強いデッキです。

 

最後に筆者の主観によるTier表を記載します。

狭い界隈の専用機を乗っけてもしょうがないので、ある程度プレイヤーがいるものに絞っています。

Tier1 (デッキが強くてかつ人気のもの。必ず対策をすべき)

カーミックボンバー(色不問)

ノワール(色不問)

青黒コントロール(ネザーゴー、激動ゾンビ合算)

Tier2 (デッキは強いが愛好家は少なめ、またはその逆。意識はしておいたほうが良い)

茶単

ウェイク(色不問)

《神秘の蛇》系クロックパーミッション

エルフ

《狩り立てる群れ》ストーム

Tier3(やや劣るが環境に存在する。マッチングしたときに焦ってはいけない)

ゴブリン(赤単、召集)

バベル

青白コントロール

黒単コントロール

*1:公開順でも初手は対抗呪文なのでいいんですけどそれはまあそれです。

*2:《永劫の輪廻》+《陰極器》+《狂気の祭壇》。対戦相手のライブラリーを削るため、サイド後に《天啓の光》を差し込まれることもあった。

*3:主に土地

*4:めちゃくちゃ強いが終盤にちょっと弱い。

*5:僅かに重いけど確定だし追放が偉い。なんなら対抗呪文より優先することもある。

*6:常に重くて弱い。それでも入れなきゃならない時がある。

*7:概ね神のカードだけど色がとにかくキツい。

*8:《自然の類似》で全ての土地をクリーチャー化し、《脱出》でジェネリック《激動》。本物と違って《ゾンビの横行》が戦場に残る上にキーカードが全てインスタントなのでエンド時に仕掛けることもできる。と書くと強そうだが、2名が組んで通算10戦以上したがどちらも1勝もせずに解体された。

*9:《ゾンビの横行》と組み合わせたワンダーゾンビなど

*10:ミラディン後に一応追加されてはいる。

*11:は?

*12:これはテキストの読み上げです。

*13:ブラフができるしストームが稼げるので。

*14:白黒は強いカードの色拘束が凄いので《コイロスの洞窟》に加えて《真鍮の都》まで入ることもあり、なんなら《ファイレクシアの闘技場》も採用されることがある、くらいヤバいので《魂の管理人》を入れました。という話があって普通に強かった。

*15:再生は残ります。シャンダラーテクニックだね。

*16:褒めています。

*17:しかしノワールにはネズミが入るので完全な対策は難しい。やはり《稲妻》